本と珈琲、ときどきチョコレート

観たり、聴いたり、心が動いたり…日々の記録

世界は色であふれてる!

森絵都さんの『カラフル』(文春文庫)を読んだ。 ふわぁー…!心地良い読後感…! 最近黒く腐りかけてたわたしの世界に、カラフルな光が射しこんだよ。 (以下ネタバレを含む感じたことです) この本に流れる空気、だいすきな大島弓子さんの作品世界に重なっ…

〈ほんとうの自分〉?

「本当の自分」という言葉にずっとモヤモヤしていた。 「本当の自分」だけじゃなく、「私らしさ」という表現にも、 モヤモヤ…というか、苦手だった。 昔、送別の言葉で、 「明日葉さんらしく自分の道を進んでください」 と言われた時は、 「どうすれば?!」…

“君たちはどう生きるか”

ついに観てきた! 「君たちはどう生きるか」 (以下本と映画のネタバレを含む感想です) 吉野源三郎さんの本『君たちはどう生きるか』を3年前に読んだ時、この本が1937年に書かれたということに驚いた。 この本に描かれたコペル君の悩みや苦しみ、成長や友だ…

ぼけとズレとケア

ぼけた人がその人のままで生きていく社会ってどんな社会だろう。 この問いがいつも胸の片隅にある。 『ぼけと利他』(伊藤亜紗・村瀨孝生/著、ミシマ社)を読んだ。 この本は、美学者の伊藤亜紗さんと「宅老所よりあい」代表の村瀨孝生さんの往復書簡だ。 …

私が私を造るということ

①『サルトル全集 第一三巻 実存主義とは何か―実存主義はヒューマニズムである―』(伊吹武彦/訳、人文書院) ②『サルトル 実存主義とは何か―希望と自由の哲学―』(海老坂武/著、NHK出版) を読んだ。 まず①を読みはじめてすぐに「???」となり、②を付箋貼…

胸を打つ文章について思うこと

胸を打つ文章や心を揺さぶる文章の共通点ってなんだろう。 繊細な感性? ひとつの物事を色々な角度から深く見ることができる洞察力? 文章のリズム、ビート? もちろんそうだと思うけれど。 やはり、誰かが何かに真剣に向かい合った体験を紡いだ言葉は、本物…

旅に出たくなる本

今、ここに生き辛さを感じて、世界が灰色で、息が詰まって苦しかったら、旅に出てみるといいかもしれない。 自分の心に耳を澄ませて、自由に出かけてみるって素敵だ。 きっと、その旅が、今、ここの自分に色をもたらしてくれる。 この本を読んでそんなふうに…

本を読むこと

本を読むことが好き。 こどもの頃から時間があると何か読んでいた。 読むのは遅いし、好きな本や好きなシーンは何度もページをめくって読み返す。 だからたくさん読んでいるわけではない。 それに、すぐ内容を忘れてしまう。 すごく好き!なんだけど、どこが…

『天才はあきらめた』

最近、こどもの教育に大切なのは、“GRIT(やりぬく力)”だ、とよく耳にするようになった。 『GRIT-やりぬく力-』はアメリカの心理学者アンジェラ・ダックワース氏の著書。 この本では、人生で何かを成し遂げるために大切なことについて、“情熱”と“粘り強さ…

性暴力について、今、思うこと

性暴力を言葉にすることは難しい。とても力がいるし、言葉にした後とても疲弊してしまう。 言葉にした後は何度もフラッシュバックして、苦しくなる。 でも、時間がかかっても、できるだけ言葉にしていきたいと思う。 胸を張って伝えたいと思う。 命を削るよ…

『音楽は自由にする』

『音楽は自由にする』(坂本龍一/著、新潮社)を読んだ。 没頭して読んでたら、息子がYMOを流してくれた。 坂本龍一の文章を読みながら、YMOを聴く!なんて贅沢で豊かな時間なんだ! 唯一無二の音楽家で、思想家で活動家であった坂本龍一さん。 中学生の頃…

映画「怪物」

映画「怪物」を観た。 とても良かった。 「誰も知らない」を観た日が今も忘れられないように、 「怪物」を観た今日は、忘れられない日になるだろう。 (以下ネタバレを含む感想です) 息をのむような美しいラストシーンが目に焼き付いてる。 物語は行きつ戻…

落ち込みの処方箋…『ご本、出しときますね?』

今日は色んなことを話し過ぎて少し落ち込んでいる。 20代の頃は、夫のことやこどものことなど、自分以外のことでしか話題がない人にはなりたくないなぁなんて思ってたのに、 今日は思いがけず夫やこどもについて話すつもりのないことまで話してしまった。 嘘…

好きだ!

ドラマ「だが、情熱はある」が今日最終回(/_;) うわぁーん!寂しいよぉ!悲しいよぉ! もともと小6の息子が熱心に観ていたこのドラマ、気づけば私がどハマりしてた。 このドラマ、好き! 色んなシーンが刺さるんです。 嫉妬とか劣等感とか惨めさとか恥ずかし…

『みかづき』

『みかづき』(森絵都/著、集英社)読了。 おもしろかった。今、読めて良かった! 「教育」についてモヤモヤしている方に、おすすめの本です。 読みながら人物達が浮かび上がって動き出して、まるでその時代時代に私がそこにいて、一つ一つのシーンを観てい…

『翼の翼』

『翼の翼』(朝比奈あすか著、光文社)を読んだ。 (以下、ネタバレも含む感想です) この本、読もう読もうと思いながら、怖くて手が出せなかった。きっと本の中に「私」がいると思ったから。 やはり「私」がいた。 読み始めたら頁を閉じることができなかっ…

哲学教室「生きる意味とはなにか」

今日は対話する哲学教室「生きる意味とはなにか」(ヨノナカ実習室さん)に参加しました。 ファシリテーターは松川えりさん。 今回のテーマは、「生きる意味がある」ということを前提にした問いなんだなぁ。 (これ、参加する前に私が感じてたモヤモヤを言葉…

えほん哲学カフェ『みんなたいぽ』

今日はスロウな本屋さんの「えほん哲学カフェ」に参加した。ファシリテーターは松川えりさん。 おもしろかったー!絵本を2時間ゆっくり味わいました。 振り返ると、私は「てつがくカフェ」に出会って、3年少し。 以前は生活の中でモヤモヤが出てくると、モヤ…

哲学教室「健康であることと美しいことにちがいはあるか」

とーっても久しぶりの更新です。 日曜日は「対話する哲学教室(13)」にオンライン参加しました。 テーマは「健康であることと美しいことにちがいはあるか」 『中学生からの対話する哲学教室』(シャロン・ケイ、ポール・トムソン著、河野哲也監訳、玉川大学…

映画「MINAMATA」

10月3日(日)、シネマクレールで映画「MINAMATA」を観た。 映画館から出たら、一緒に観た息子が、「これ、お母さん、知っとったん?」「これ、ほんとに日本であったことなん?」と聞いた。 …“知ってた”でも“知らなかった”… 「5年生くらいで社会の授業で習っ…

えほん哲学カフェ『わたしのせいじゃない―せきにんについて―』

10月2日(土)スロウな本屋さんの「えほん哲学カフェ」に参加した。ファシリテーターは松川えりさん。 絵本を通した哲学対話は、毎回、一人で読んだ時とは違う発見がたくさんある。みんなで「絵本をじっくり味わう」時間。絵本を読んで思ったことや浮かんだ…

長倉洋海さん講演会『アフガニスタン 山の学校とアクバル君』

9月25日(土)は、クレヨンハウス子どもの本の学校主催、オンラインでの長倉洋海さん(フォトジャーナリスト)の講演会だった。 長倉さんは、旧ソ連がアフガニスタンに軍事介入した1979年の翌年1980年からアフガニスタンの人々を撮り続けている。 2021年8月1…

哲学教室「“美”は事実か趣味か」

ヨノナカ実習室さんの対話する哲学教室「“美”は事実か趣味か」に参加しました。 講師は哲学プラクテショナ―で「てつがくやさん」の松川えりさん。 この機会に『中学生からの対話する哲学教室』(シャロン・ケイ・ポール・トムソン著、河野哲也監訳)を購入し…